武藤 彩未のA.Y.M. Live Collection 2014 ~変化~ を観て聴いて

A.Y.M. Live Collection 2014~変化~

武藤 彩未の実質的デビューアルバムの感想

明日、第2弾のDVD「A.Y.M. Live Collection 2014 ~進化~」が発売されるが、その前にDVD 「A.Y.M. Live Collection 2014~変化~」の感想を発表しておこうと思う。


A.Y.M.を観て聴いて

武藤 彩未は『アイドルユニット全盛の今、ソロアイドルがデビュー』と話題と期待の入り混じった新人ソロアイドルだ。新譜が明日発売されるのを機に、デビューアルバムである『A.Y.M. Live Collection 2014~変化~』についての感想を述べてみたい。後日、新譜についての感想も書くつもりなので比較してもいいだろう。

これまで可憐Girl’sさくら学院で聞いてきたが、武藤の歌をじっくり聞くのは今回が初めてである。ユニットの中ではソロパートも短い上に全体でミキシングされているから、一人だけ取り出して聴き込むのは困難だ。だから、これまで武藤の歌声を知っているようで良く分かっては居なかったと思う。

これまでに武藤は高い歌唱力を持つと言われてきており、ソロデビュー後のLIVEを取り上げたマスコミ記事では高く評価されてもいた。そういった経緯もあり、筆者も期待を込めてDVDを購入した。


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収録曲と感想

アルバムに収録された順で、感想を書いてみた。音楽は聴く人によって印象が異なるので、筆者の『印象』については言及していない。

デビューコンサートのステージは、キラキラしていてアイドルのライブ感が満載だ。一人perfume状態という表現が最も合う、手の掛かった演出が見どころ。新人歌手の武藤 彩未が破格の扱いを受けていることが良く分かる。

1.女神のサジェスチョン

PerfumeライクなEDM調の曲だが、通奏低音があるのでクラッシックテイストな歌謡曲といった感じ。
武藤 彩未のデビューコンサートのオープニング曲ということで、声に緊張がみられる。とはいえ、しっかりダンス出来ているし、十分に可愛らしさを演出できていた。

2.Seventeen

間髪を置かず2曲目のSeventeenに入る。ここまで来ると緊張もほぐれた様で、余裕を持って演じるようになった。デビューコンサートと言っても(ソロの)と注釈が付くほど長い芸能人キャリアを持つ彼女だ、出だしの緊張を乗り越えれば大丈夫だね。

歌は可愛らしさ一杯のアイドルソングといえば聞こえはいいが、強弱や高低がなくフラットな曲調はメリハリに欠ける。ちょっと耳に残りにくい。ダンスは可愛くて良い。

MC

武藤 彩未はMCがとても上手い。間の取り方、観客との呼吸、一瞬で観客を武藤ワールドに引き込める、大変素晴らしい才能を持っている。

3.時間というWonderland

元気一杯に歌う姿は見ていて清々しさもある。そろそろ色気が出る年齢だし、男性の視線を意識したアイドルが多いなか、武藤のキャラクターには『いやらしさ』が含まれて居ないからだろう。

4.桜ロマンス

高い音域が苦しいようで、明らかに高音の伸びが不足している。『声の伸び』が、ライブ時点での武藤 彩未の足りない部分だ。

5.とうめいしょうじょ

印象的なバラード。無理のない音域で武藤も上手く歌えている。ただ、不安を携えた寂しげな曲調であるのに、武藤が満面の笑顔で歌う点に違和感を覚えた。

6.A.Y.M.

ビートの利いたロックテイストな曲。ダンサブルな曲に合わせ振りも激しくなっている。サビの部分の声を張り上げるパートは声量不足で迫力が出てない。

MC

いかにも楽しそうなパート。一人perfumeという表現が最も相応しく、perfumeのライブパフォーマンスを相当研究したと思われるP.T.A.を髣髴(ほうふつ)とさせるMCだ。

7.RUN RUN RUN

盛り上がったMCそのままの勢いで曲へ流れ込む展開は秀逸。一連のパートで見せる武藤 彩未の才覚は素晴らしく、観る者を強力に惹きつける。

このRUN RUN RUNはパフォーマンスを含め、perfumeのチョコレートディスコのようなキラーチューンとして定着するだろう。

8.交響曲第1番変ロ長調

蓋を開けば普通の歌謡曲で、大袈裟な曲名だなと感じさせる。サビの部分が盛り上がらず、印象にも残りにくい曲。これは彼女の責任じゃないので、念のため。

9.宙

武藤 彩未を印象付ける代表曲。ステージで歌う彼女の、キラキラとしたアイドル然とした佇まいは魅惑的。これこそが目指す80年代アイドルの再現だろう。

MC

屈託の無い話の中に人の心を打つ言葉が振り撒かれている。短い時間にもかかわらず、観客に応援する気持ちを起こさせるトークだ。

10.永遠と瞬間

他の曲ではビートに合わせて体を動かすフリだったが、この曲は振り付けが複雑になり曲想を表現するようになった。
ゆったりとした曲は武藤に合っている。

11.彩の夏

ひと夏の恋に揺れる娘心を表現した歌だが、一番肝心なサビの『胸の中 張り裂けそうでも このせつなさ 信じてみせたいの』という歌詞を満面の笑みを湛えて歌ってはいけないだろう。

12.明日の風

ライブの終わりらしく、落ち着いてしんみりした曲。武藤 彩未の歌唱にも落ち着きがあり、聞き込むと良い感じだ。

特典映像

1.RUN RUN RUN

自身のファンだけではないイベント出演。ライブで観客の心を掴む能力が良く分かるステージングが光る。

2.DEBUT LIVE「BIRTH」バースデーサプライズ2011.4.20

曲じゃなくて、ステージ上でケーキを贈って誕生日を祝うイベント。

・・馬は武藤にとって意味ある対象であるのは分かる。が、殆ど全ての人が競馬をやらないし、馬や競馬に対して親近感を抱かないであろうファンには余計だと思うけどね。

END


評価

ビジュアル&トーク 100点

perfumeライクの凝ったステージ演出、可愛らしいダンス、グッと引き込まれるMCと期待以上の出来をみせてくれた。衣装もアイドルらしい世界観を醸し出していた。

歌唱力 70点

一方、歌唱力には期待しすぎていたのかな。声量があまり無いうえ高音がきつそうなのと、声の伸びない所を改善できたらいいと思う。EDM系は打ち込みのドラム音などに声がかき消されてしまい無理があった。歌に安定感はあり、音を外したりしないがプロなので加点するポイントにはできない。

表現力は採点できない

表情による感情表現の欠如が、歌手としての武藤 彩未の見過ごせない欠点であることは明白である。

特に笑顔にバリエーションが無いというか武藤の笑顔は1種類しか無いところが大問題。微笑む、にっこりする、薄ら笑い、破顔する、等。人の笑顔には種類がある筈なのだが、武藤は一切描き分けることが出来ない。

表情はコミュニケーションの主要な要素のひとつである。その表情の乏しさが武藤 彩未の歌が心に響くことを遮っているのだから、改善しなければならないだろう。

お勧め度:★★★☆☆
お買得度:★★★☆☆

今回購入した武藤 彩未のディスク

DVD 「A.Y.M. Live Collection 2014~変化~」 5,800円

まとめ

武藤 彩未はライブパフォーマンスに優れたアーティストで、喋らせると凄い力を発揮する。だが、歌唱力を素直に評価すると一般人レベル。これではCDで人気を獲得するのは難しいだろう。デビュー間もない時期に立て続けに映像がリリースされる理由が分かったような気がした。

次回作はアコーステック伴奏とのこと。武藤 彩未の歌声に合っているから、もう一度期待して聞いてみたい。