武藤 彩未 A.Y.M. Live Collection 2014 ~進化~ ディスクレビュー (1/2)

A.Y.M. Live Collection 2014 ~進化~

武藤 彩未のセカンドアルバム ディスクレビュー

AYM前回に引き続き、武藤 彩未のDVDアルバムを観て聞いてみた。デビューからほぼ半年を経てのライブなので、この間の成長が見所。

歌やダンスが向上しているのか、ステージングに更に磨きが掛かっているのか、気になる所だ。


A.Y.M.~進化~を観て聞いて

幼少期からジュニア・モデルとして活躍していた武藤 彩未は、アイドルとしてもビジュアルに優れている。ソロでビューしてからは常に凝った意匠のコスチュームが用意され、より魅力的に見えるようにしている。

武藤 彩未は恵まれたアイドルだ。可憐Girl’sでセンター。さくら学院は生徒会長で、バトン部などユニットでもセンターだった。常に一番目立つポジションを与えられ、テレビ出演等も含め露出機会は最も多く与えられていた。

ソロデビューに際しても破格の厚遇を受けている。さくら学院卒業からデビューまで1年以上に渡る準備期間が設けられ、この間にボイストレーニングと平行して大量のレコーディングを行った。

デビュー時点でオリジナル曲を幾つも持っている新人歌手は極めて異例な存在。数が多いだけでなく、それぞれの曲のクオリティーがとても高い。音源の発売スケジュールは新人とは思えない速さと量である。

ラ イブは凝った演出が行われる。レーザー光線や複雑な照明にコンピュータグラフィックを加えたperfumeライクな演出は一人perfumeと表現できる ほど素晴らしい。他にもアコースティックな伴奏者とのステージや、キーボードとドラムを伴奏に歌うなど豪華なステージを披露している。

このライブアルバムは2枚組DVDの25曲というボリュームに、2014年夏に行われた二つのライブが収録されている。長くなるので2回に分けてレビューする。

「A.Y.M. Ballads」 2014.6.10 (DISC 1)

A.Y.M. Balladsピアノ、チェロ、パーカッションという、ジャズ歌手のような編成のアコースティックバンドが伴奏する豪華なステージ。

少人数編成の伴奏者を伴い椅子に腰掛けたまま歌うという、ベテラン歌手のディナーショーのようなステージとなっている。

一日だけのステージではあっても楽器編成に合わせ全ての編曲をやり直さなければならないので、大変手間が掛かったライブだった。

1.明日の風

悩んでいる恋人に「明日に向かって風は吹く」と比喩に乗せて恋心を伝える歌。目を閉じて音だけ聞けば、可愛らしいアイドル然とした歌声に聞き入ることは出来る。

しかし最初から最後まで満面の笑みで歌うから、画面を見ながらでは次第点くらいにしか評価できない。表情で感情の移り変わりを表現できないのは本当に痛い。

MC 伴奏者の紹介

2.宙

これは凄くいい曲だし、武藤 彩未の声質に合っている。上手く歌えているが、声量と声の伸びが不足しているため最後の一歩に届かないもどかしさが残る。持ち歌なのだから、ちゃんと歌いこなして欲しいものだ。

3.Seventeen

持ち歌にハズレがない武藤 彩未の曲の中でも、ひときわ輝いている曲。なのだが、歌唱力が追いついていない。リズム感が必要とされる曲と思うが、自分の声でリズムを作れて居ない。この伴奏はメロディーを奏でるユニット編成なので、歌い手がやらなければならない。

4.とうめいしょうじょ

ここまで3曲聴いて気付いたのだが、武藤 彩未はどの曲も同じ歌い方だ。曲は異なるのに、何故同じ歌い方をするのだろうか。声の出し方、伸ばし方、発音、皆同じだから、曲想の違いを上手く表現できていない。

MC 次に歌う新曲の紹介

5.風のしっぽ

この新曲もいい。何度も言うが武藤 彩未は持ち歌に恵まれている歌手だ。ところが、「とうめいしょうじょ」で述べたように同じ歌い方をしているから曲の違いがぼやけてしまっている。

声の高くなるパートがきつい様で、ファルセットになると同時に声量も落ちてしまうから高まる場所のはずが消え入ってしまっていた。

6.桜 ロマンス

相手に切々と訴えかける歌なので、歌声に説得力が必要。一生懸命歌い彼女なりに頑張っているが、か細い声質が裏目に出てしまっていた。

7.女神のサジェスチョン

パーカッション伴奏がボサノバ的な印象を与えていた。武藤 彩未は場の雰囲気に合わせてしっとり歌おうとしているのか、前作「~変化~」で見せた元気が隠れてしまった。これなら前作の方が良かったと思う。

8.A.Y.M.

表題曲である。いわば代表曲。DNA1980と銘打ちデビューした武藤 彩未のテーマソングだが、筆者の印象だとこの曲は少女と女性の狭間を表現していた山口百恵のイメージである。

クリスタルガラスの器が落ちて壊れる寸前に光り輝くような儚い煌きを表現する、歌いこなすのは難しい曲だ。まぁ、2~3年後には歌えるようになるのではないか。

MC 特別な話はなし

9.永遠と瞬間

一言ずつ嚙み締めるように歌わなければならない曲と思うが、舌足らずな発声をするので声の立ち上がりのキレが足らずに言葉が繋がってしまった。こういう、ゆったりとした曲は歌唱の巧拙がモロに出てしまう。本当に彼女に向いているのか疑問だ。

アンコール

10.時間という Wonderland

彼女の歌だし、可愛らしく上手に歌えている。でも他の歌手だったら、もっと上手く歌えている。電子楽器によるカブセなどのサポートが無いアコースティック伴奏では、歌手の声による表現力が必要なのだとつくづく思った。

11.彩の夏

武藤 彩未の歌い方だ。曲は良いし今回はアコースティック伴奏で雰囲気までも良い。しかし、余韻は残らなかった。

特典映像

「FRIENDS」 ~A.Y.M. Balles Ver.~

さくら学院父兄なら誰でも知っている曲を少しテンポを落として歌った。心のこもった歌唱で、このディスクの曲の中で一番上手く歌えていたと思う。

END


「A.Y.M. Ballads」 2014.6.10 (DISC 1)の評価

ビジュアル 100点

毎回の100点です。ふっくらとした顔も思春期だから大丈夫。トークは採点できるほど話さなかったので割愛するが能力的には100点でいいと思う。

歌唱力 65点

アコースティック伴奏に合わせテンポを落としたので、ダイナミックで伸びのある歌唱が必要とされてしまった。それは彼女の苦手な歌い方だから、アイディアが裏目に出たということだろう。前作~変化~の方が良かった印象。

表現力 50点

表情による感情表現が苦手というより出来ない悪癖は改善されていなかった。最後に収録されているFRIENDSでは表情以外の体を使った感情表現が出来ていたので、感情を表せないのではなく表情に変化をつけられないようである。


A.Y.M. SUMMER TRIAL LIVE」 2014.8.1 (DISC 2) へ続く