アイドルの評価を左右するステレオタイプ化とは

ステレオタイプという言葉を知っているだろうか。このコーナーでは今までアイドルに興味の無かった人々がアイドルに接した時、一体どんな評価を下すのか?を考察する。そのキーワードになる概念がステレオタイプ化だ。

美のステレオタイプ

ミスコンテストでは若い女性が美を競う祭典として知られている。では若い女性の目指す美とは具体的には何を指すのだろうか?

アイドルとステレオタイプ

貴方は、『アイドルをアイドルファンが見る時と、一般の人たちが見る時は同じ視点で見ては居ない』事に気付いているだろうか。

アイドルファンは特に贔屓(ひいき)の対象についての知識が豊富だ。しかし、アイドルに特に興味が無い人々は全く知らないか限られた情報しか持って居ない。

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衣装を分けて個性を演出している例:アイドルカレッジ

『ステレオタイプ』とは、人々を分けるカテゴリに結び付き、そのカテゴリに含まれる人が共通して持っていると信じられる特徴のことである。

ステレオタイプに基づいて人を判断することを『ステレオタイプ化』という。人々は、初めて会う人を社会に存在するステレオタイプを用いて前もって予測してから接している。

こうすると自分で集めた個別の情報を駆使して判断する手間が省ける(思考の節約)からと考えられている。これだけでは理解しにくいので以下に例を示す。

  • 名古屋人=貯金が大好き
  • 大阪人=食べ物に目がない
  • 東京人=気取り屋

ところで『ステレオタイプ』という概念は『偏見』と混同されがちである。両者は似てはいるが別物であるから混同しないように注意が必要だ。

  • ステレオタイプ:ある対象に共通すると思われている特徴 (例:医者の子供は勉強が出来る)
  • 偏見:ある対象に共通すると思われているネガティブな評価 (例:芸能人は勉強が出来ない)

思い込み

太り気味サーファー

太り気味サーファー

この様なステレオタイプ化は便利な反面で正しい判断を誤らせる原因にもなる。

例えば『サーファー』というと『日焼けしていて筋肉質』というステレオタイプが思い浮かぶが、「サーファーの男性を紹介してあげる」と友人に言われて会った女性が『色白で太ったサーファー』を目の前にしたら「これじゃない!」と思うはず。

逆に、予測通りな『日焼けしていて筋肉質』の男性に会えたとしても、彼はサーフィン初心者で日焼けサロン焼けなのかもしれない。世の中でこういう事はよくある問題だ。会う前に考えていたステレオタイプが現実の判断に役立たない事は珍しくない。

アイドルファンのステレオタイプ

アイドルファンは『引き籠りで恋人は無く人付き合いが苦手な人』のように思い込まれている場合が多い。

「それ違う、自分はそうじゃないよ!」と言いたい人も居るだろうし、もちろん実際に当てはまらない人も多い。ステレオタイプ化の欠点は、このように個々の特徴を考慮していない所であるのを理解して頂けただろうか。

アイドルのステレオタイプ

我々の大好きなアイドルが世間的にどう思われているのか、つまりアイドルのステレオタイプはどうなっているのか。気になったので書き出してみた。(筆者の調査力・想像力の限界もあるから話半分で)

  • 可愛い・格好いい
  • 派手な衣装
  • 年齢が若い
  • 幼稚である
  • 歌やダンスが下手

なんか、ファン目線の評価と違う感じになった。そしてネガティブな意見が溢れ(あふれ)ている。実はステレオタイプ化の欠点のもう一つが『差別や偏見を生むこと』なのだ。

アイドルファン以外の人に「私はアイドルのファンです」と言いにくいと感じたことがあるならば、他人からステレオタイプ化されたアイドルファン像の視点で自身を評価された経験があるのかもしれない。

大人数ユニットの中に個性が沈む

よくある大人数ユニットはメンバーの個性が目立ち辛いのでアイドル集団としての評価がステレオタイプになってしまう。

個人々は歌唱やダンスの能力が優れていたとしても、ユニット活動が『誰でも歌える簡単な歌と幼稚なアイドルダンスの組み合わせ』だったとしたら、どんな評価を受けるか想像に難(かた)くない。

オーケストラの様に異なる楽器・演奏パートを持つなら区別も出来ようが、アイドルユニットの多くは同じ歌パートと同じ振付だ。つまり、アイドルユニットは大人数構成になるほど個性が埋没(まいぼつ)してゆく傾向を持っているといえる。

話は変わるが、地方のアイドルファンならば『期待されて地元から有名アイドルユニットの育成に入ったのはいいが何年も泣かず飛ばずで意気消沈』という様な経験があるかもしれない。地元でじんわり活動するほうが幸せかもしれないから、有名どころを狙うのも善し悪しという事だ。

ステレオタイプの維持

一旦、形成されたステレオタイプは容易には解消しない。

それは自分のなかに維持するメカニズムが存在するからである。人はステレオタイプに基づいて何かに接したとき、都合のいい現実に当ると(ステレオタイプの)予測を信じやすい性質がある。そして成功体験としてフィードバックされ、判断に用いたステレオタイプがより強固になってゆく。

血液型性格判断とステレオタイプ

ある機関の調査によると、血液型による性格判断を女性の大体3割と男性の大体2割が信じているそうだ。いわく、『A型は神経質』とか『B型はわがまま』等。

ここでの問題は何割の人々が信じているかではなく、信じている人達が存在しているという事だ。この血液型性格判断という考え方がステレオタイプであるのは、ここまで読み進めた方は分かってくれるだろう。

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ステレオタイプの利用例

話がそれるので詳しい説明は省略するが、血液型性格判断や星占いの当る確率はデタラメな性格判断と有意差が見られないことが研究により判明している。(つまり、出鱈目に判断しても同じ結果ということ。)

では何で血液型性格診断や星占いを信じる人が後を絶たないのかというと、人は成功体験を選択的に記憶に残す性質を持つからだと考えられる。

分かりやすく言うと、『大胆でリーダーシップに溢れたA型』の人と会った経験は無視してしまうから。ここで「そんなA型の人なんて居ないよ!」と思った方は、ちょっと囚われてるぞ。

説明が長くなってしまったが、「ステレオタイプや偏見は時として判断を誤らせ間違いを犯す原因を作る」ということをご理解いただけただろうか。

ステレオタイプを減らす方法

正しい判断を行えるようになるためにはステレオタイプを出来るだけ排除しなければならないが、人間の成長や生活といった基本的な部分に密接に関連しているので完全に取り除けるものではない。そこで思い込みを減らして正しく判断できるようにする方法が編み出されたので、これをアイドルに応用してみよう。

自分の中にある偏見やステレオタイプを減らせれば、今まで気付かなかった贔屓(ひいき)の美点や見落としていたアイドルを見つけられるようになる。

一言でいえば、ステレオタイプ化とは思い込みで相手を判断することである。

つづき ステレオタイプの自動的活性化